「風って何でしょう」温かい空気が上昇し、そこに冷たい空気が流れ込む時に起こる大気の流れをいうのだそうです。

  六月に入って風の音がガラッと代わった感じがします。どういう風に変わったのかと思って風の音に耳を傾け、目には見えない空気の動きを見つけようと、目を 見張って息を潜めてみました。風の運んでくる匂いもほのかに甘く思えてきました。  日差しが強くなってきたからでしょうか。よく降った雨の音が聞こえないからでしょうか。とにかく風の音が優しく心地よい音に感じるのです。

  この季節の風は「サラサラ」と微かな音をたて、まるで新緑の葉を笑わせているかのような音にきこえます。風にはさまざまな表情、色彩や音がありますが、こ の季節の音は、一年の中で最も心地よく耳に聞こえてくる気がします。  強烈な個性をもつ風は、時に命を奪うほどの猛威を振るい、時に杉の花粉を運ぶ憂鬱な風ともなります。冬の寒さを一際強く感じさせるのも風の働きといえま す。

  何時だったか、風の音は主要三和音のひとつド・ミ・ソから成り立っていて、人間の耳に一番安心して聞こえる和音である。という話を聞いたことがあります。  が、それに加え、強さ、温度、湿度などが私たちの五感に心地よく感じた時、風の音を楽しむことができるのだと思います。この季節、目に見える美しい色と りどりの花や自分の影さえも、また大空をゆっくり移動する白い雲も風に吹かれて楽しそうな笑い声を立てているかのようです。  

  人類は風と共生し生活してきました。私たちは風を感じ、楽しみ、利用し、ときに風と闘いながら文化を育んできました。日本には四季があるので、折々の風を楽しむことができます。自然の風の音を楽しんでみるのはいかがでしょう。  

  風の音に意識してみて下さい。新しい音を発見するかも知れません