夏の暑い風を一瞬に心地よい風に変えてしまう風鈴の音、のどを潤す麦茶や素麺に加えられた氷の音。この季節、私たちは涼を感じる音を生活の中で楽しんでいます。音と心理は結構密接に関わっていることを考えてみたことはありますか。

 私たち日本人は長い歴史のなかで、生活のなかに季節を感じ楽しむ音を見出してきました。四季をもつ国の特徴かもしれませんが、特に暑い夏、音の効果を利用し涼を楽しみ味わってきた人種だといえます。

 そういえば、幼少の頃夏休みにいった母方の祖母の家でよく耳にした夏の音がありました。夕方玄関前に水を打つ音や、「プー」とラッパの音をさせて売りに来る豆腐屋を追う祖母の下駄の音。夏の涼を感じる音として私の耳に残っています。

 そういえば、ファーブルが「太陽の下での歓楽」と表現した蝉も夕方には雌を誘惑するセレナーデのように聴こえてくるではありませんか。
涼を感じる音。探してみませんか。