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暦のうえではそろそろ大寒… 東京でも、ずいぶん乾燥した寒い日が続いています。みなさま風邪などひかれてはいませんか?

家族のことで家にこもりがちの年末年始を過ごしていた私ですが、お正月のあれこれが一段落し、家のなかの空気もやや落ち着きを取り戻してきたおかげで、ようやく少しずつ外に出歩けるようになってきています。そんななか、これはどうしても逃したくない!と感じたのが、二木あいさんによる呼吸のワークショップのお知らせでした。

「呼吸をするように、ごく自然に写真を撮りつづけたい…」つね日頃、そう思っている私にとって、ときどき「林さんの写真って、酸素がいっぱい」「写真から空気が出ているみたい」と、思いがけない素敵な形容の感想をいただけることがあって、そんなときはどんな褒め言葉にも増して、とても嬉しく感じます。

…それには、きっと私の大切な節目が関係していて… 精神的にも肉体的にも深い疲れと闇を抱えて、そこから微かな一筋の希望の糸をたぐるように写真にのめり込み、一眼レフカメラの個人レッスンを受け始めたのが18年前の春、ちょうどその直前に舌癒着症の手術を受け、呼吸をするのが楽になり、全身の細胞に酸素がいき渡ってのびのびと生き返るリアルな体感を味わったのです。息を吹き返すとはまさにこのこと、生物としての再生であり、なにか成すべき使命をもった魂が生き返ったことを、強く実感したターニングポイントでもありました。ただただ、いま生きていられる喜びと、生かされていることへの深い感謝が、からだの奥底から尽きることなく湧きあがってきた、現在の私の原点となる体験でもあります。

 

昨年は…ようやく表現者としての扉を開いて一歩踏み出せた… さて、今年は? と思いめぐらしていたところへ、新年早々から、あらためて呼吸を意識する、とてもいい機会がめぐってきたことに心より感謝!! 新春セールでごった返す原宿の雑踏をかきわけて会場へと向かいました。

 

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二木あいさんは、2011年1月、メキシコのセノーテチキンハで、“洞窟の中を一息で行く”ギネス記録を、フィン有り・フィンなしの2種目で樹立され(フィンなしは、世界で初めての記録として認定)、現在は、水中での撮影・パフォーマンス・モデルをフリーダイビング=素潜りで行う世界でも数少ない水中表現家として活躍されている、とてもアクティブで素敵な女性です。 呼吸をコントロールすることの大切さを知り抜いている彼女が導いてくれるワークショップ、たっぷり1時間、ひたすら自分の「呼吸」に意識を向ける貴重な体験でした。

日ごろ、ほとんど無意識にしている呼吸だけれど…呼吸は生命活動を維持するための、とても大切なもの。でも、せわしない都会の生活では、とくに浅い呼吸になりがちで、本当は体内で不要になって吐き出した息を、また吸い込んでしまう悪循環に陥りやすいとか。溜め込んでしまった邪気を吐いて、清々しい良い氣を体内に採り入れるためにも、深い呼吸をできるように…と、口呼吸で肺いっぱいに空気を吸い込む練習から始まりました。肺を風船のように大きくふくらましていくようなイメージを描いて…まずは肺を下から上まで、お腹・横隔膜のあたり・胸、と3つに分けて、それぞれの部位ごとに、吸う息で自然に膨らませて、いっぱいになったら吐き出す。背骨はまっすぐ立てたまま、肩やあばら骨の力を抜いて…リラックスした正しい姿勢を保つのも、簡単なようで意外に難しい。

それができたら、その3つの部位をつなげて大きく深く息を吸って、吐くときには、まずタンギングのように“シュッ”と短く吐いて、いったん息を止めてから、ゆっくりと吐き出す。各自のリズムで、その1サイクルを12回続けます。 …苦しくなるほど一杯いっぱいに吸い込まない。吐くときも自然に息の出るのがとまるところまで、無理に吐き切ろうとしなくていい。途中、苦しくなったら、深呼吸を2回はさんで、また続ける… と、焦らないようにアドヴァイスもあり。なんだか子どもの頃、水泳の息つぎの練習をしていたときのことを思い出しながら、からだの自然なリズムに任せてみました。 

個人差はあるけれど、その12セットをするのに、だいたい4分~8分くらい、なのだとか。慣れてくれば、もっとゆっくり時間をかけてたっぷり息を吸えるようになるそうです。できれば、朝一番や夜寝る前の毎日の習慣にするといいですよ、と帰り際のメッセージもいただきました。

さっそく、起き出すのが寒くてちょっぴり辛い今の時期、ふとんの中でもぞもぞしているときにやってみたら、自然に血流がよくなって体も動かしやすくなり、脳もすっきり目覚めて、いい感じ! 元旦から始めた、晴れた日の午前の太陽光と向きあうひとときにも、この呼吸法を組み合わせてみています。 忙しさに紛らわさず、ほんの5分~10分あれば、太陽の光や呼吸に意識を向けるだけで、他になにもなくても、どこでもできる。今年は、私自身の光合成のような、このひとときを大事にしていこうと思います。
 


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ワークショップ会場の白い壁いっぱいに映し出されていた海のなかの映像も二木さんの作品で、海中の光のきらめきや、海藻が揺らぎ、亀や魚たちが泳ぐ様子を眺めながらの呼吸法…海が好き、シュノーケリングが好きな私には、とても心地よい体験でした。

その気持ちよさを皆様にもお伝えしたくって、なにか私も海の写真を…と思いめぐらしたら、ふと、一昨年の夏、なんと小樽でシーカヤック初体験をしたときに「写ルンです」の防水タイプで写真を撮ったまま、すっかり忘れていたことを思い出し…ほんとうは、こんなに放置しといちゃいけないんだけど、、、さっそく現像に出してみました。

何を写したんだったか殆ど覚えていないうえに、初めて使った防水仕様の「写ルンです」、水中やカメラに容赦なく水のかかるような状況で、どんな風にどの程度写っているのか、想像もつかないことだらけ。撮ったものをその場ですぐ確認できるデジタルカメラの便利さにすっかり毒されていて、これまた忘れていた、フィルム現像があがってくるまでのドキドキ・ワクワクする感じを、久しぶりに味わいました!

出てきた写真は、、もちろん大半がピントが甘かったりブレブレだったりしていたけれど。偶然にも、小樽のシーカヤックの青の洞窟ツアーでの光景は、“洞窟の中を一息で行く”ギネス記録の保持者、二木あいさんに敬意を表すことにもつながるなぁ… そんなことを感じつつ、この写真を見ながら文章を書いていたら、また「そうだ!舌癒着症の手術を受けたあとに、ありありと感じた、気道がしっかり開いて空気がどっと肺に流れ込んでくる感触、まさにあの感覚なんだ…」と、リアルに甦ってきました。 我ながら、今この呼吸法を学んだタイミングで、このフィルムを現像してみようと思い立った、ふとした“憶い出し”インスピレーションの力に、驚いています。

二木あいさん、これからも呼吸のワークショップを行われるそうです。近いところでは、今月27日に、穴守稲荷の野菜を食べるカフェ「油揚げ」というお店でも予定されているとか。ご興味のある方は、ぜひこちらをご覧ください。ワークショップの後に、美味しい野菜のお料理を二木さんと一緒に食べるプランも!…もし参加されたい方は、念のため予約された方がいいみたいです…

その他にも彼女の素晴らしい活動の様子は…ギネス記録樹立のときの映像、水中表現家としてのプロモーションビデオ、ブログ Love Two Tree Production からも、ご覧いただけます。よかったらチェックなさってみてください! 

 

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