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 閏年の閏月の閏日に、このフォトエッセイの更新日がめぐってきて、なんだか否が応でも、暦と、太陽や月の運行と、季節のめぐりを意識しているこのごろです。

昨日から天気予報でも言われていたけれど、今朝、起きたら…もしかしたらこの冬一番の雪景色!! でも、心なしか雪雲の空も、仄かに明るく春めいているような。

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 東京でも、今年は寒さが例年よりも厳しく感じられ…まだまだ冬の寒さの日も多いけれど、立春のころを境に、陽の光は確かに春の訪れを告げているように感じられます。 そんな立春の日の午下がり…「余りにいい天気の立春。光を集めようと、ノミの市で昔見つけたシャンデリアのパーツでサンキャッチャーを製作中。」というヨガ仲間のTweet をみつけ、“立春の日の光を集める って、なんだか素敵!! ” と、私もサンキャッチャーを作りたい気持ちがムクムク湧き上がってきました。 

 ふと、以前、携帯電話の飾りにつけていたけど、けっこう重くてバランスをとりづらく、よく携帯ごと落としたりぶつけたりしてオブジェの縁も欠けちゃったりして、とうとう外したまんまになっていたハート形のクリスタルのことを思い出し、「そうだ! アレを使えばいいんだ!! 」と、思い立ったが吉日で、さっそく製作開始。とっさのことで、素敵なチェーンやワイヤーはなかったけれど、ボタン付け用の太番手の絹糸を使って、至極あっさり簡単な造作になりました。それでも、できあがったら何だか感激もひとしおで。 とはいえ、すでに立春の陽射しは傾きかかり、部屋の窓から射し込む光もみるみるうちに弱まってきたので、ひとまず壁際にかけておいて…すっかり忘れておりました。

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 うららかな立春の陽気も、数日経つとすっかり真冬の寒さに逆戻り…しばらく冷たい雨がつづき、東京でもこの冬何度目かの雪が散らつき、何日もどんよりと重苦しい雲に覆われて… 太陽の光は、如何に暖かく、また心を明るくしてくれることか… と陽射しを恋しく思っていた頃に… ちょうど二十四節期の雨水の頃に… 久しぶりの快晴!! 心も浮き浮き晴れ晴れとして、ふと、このサンキャッチャーに目が留り、さっそく窓辺に吊るしてみました。

 最初のうちは、部屋の中に投影される無数の小さな虹のかけらを追いかけてカメラを構えていたのだけれど、ふと、クリスタル本体も光を集めて輝いていることに気がついて… michikohayashi_Sawawa015_002.jpg
 この写真を観ているうちに、昨年9月の自然とともに』に記した鴨川でのヨガ合宿で、朝日に向かって目を閉じて瞑想しているときの感覚が甦り…

 …からだ全体がオレンジ色のとても温かいエネルギーに包みこまれ…日が高く昇ってくにつれ、オレンジ色の光が白いまぶしい光に変わっていき、その白い光に全身が包みこまれ満たされて満ちあふれていく… 外側から包みこまれ満たされていくだけでなく、私の内から溢れんばかりに湧きあがり迸る、光のエネルギーの放射の感覚… 

 あのときの、えも言われぬ至福の感覚を… 客観的に目にみえる象徴として、サンキャッチャーのこの光輝を見せていただいているのだと、そんな風に感じられてきました。

 揺れ動く一瞬一瞬で、反射のしかたも、放つ光の色や強さも、刻一刻と変わっていくけれど…太陽の光をうけて輝き、その輝きをキラキラと放射しつづけることには変わりはない。 その有り様は、きっと、私たち一人一人の命も、そして人に限らず全ての存在も、どんなときにも、強弱はあれど、輝きつづけ光を放ちつづけていることは同じなのだろうな、とハッとしました。

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 東日本大震災から、もうすぐ一年。 被災された方も、そうでない方も、それぞれの人が、それぞれの場所で、それぞれの想いを、暮らしを、複雑な矛盾や葛藤を抱えて懸命に生きている。様々なかたちで、仕事でも、支援活動のボランティアでも、被災地へ向かう方もたくさんいる。今日のような雪の日は、被災地の方たちはどんなにか大変だろうか… 

 

 そんな中で、東京で今のところは多少の波はあれども穏やかな生活ができていて被災写真のスキャニングなど後方支援の活動はささやかながら続けているものの、未だ一度も被災地に足を運べていない私は、果たしてこれから何をすればいいのか…いまの私にできることは何なのか… つねに問い続けているけれど。 

 何故かわからないけれど止むに止まれず撮り続けている写真を介して、何かしらメッセージを発信できる場を与えていただいている幸運に感謝し… ここで何を発信すればよいのか、あるいは、何を発信しないのか… つねに問い続けているけれど。

 今いるところで、できることから… と思うと、結局はごくシンプルに、この立地点に立ち戻ってしまうのだけれど。

 まずは私自身の心の内なる光と、外の世界の光とが、呼応しあい共鳴しあい、いま生きていられる生かされて在る喜びの輝きに満たされて、その喜びと輝きが私の内から溢れでていくように。そんな光の輝きを、瞬間を、日々敏感にキャッチできるように。 そして、それらを写真に定着できたときに、それをここでシェアすることで、どなたの心のなかにも存在する光と、響きあい輝きあって、ときには揺り起こし、より大きく輝かせていく、ほんのちょっとしたきっかけとしてでも、お役に立てたらいいな、と思うのです。

 そうして、それぞれの人のなかに在る、健やかに生きる心の力や自然治癒力を、免疫力を、高めていくことで、目に見えない放射能汚染の恐怖と不安と共存せざるをえない311以降の日本で、生き抜いていく力を育んでいくことの、すこしでも、お役に立てたらいいな、と思うのです。 michikohayashi_Sawawa015_004.jpg
 日々、身に降りかかるできごとは、明るく楽しいことばかりではなく、厳しく辛く、心が折れてしまいそうになることの方が多いかもしれない。 それでも、日々ほんのちょっとしたきっかけから、心を遊ばせて、喜びと平穏を味わえるひとときを、持てるようでありたい。

 

 宇宙の運行と、暦との、ちょっとしたずれにより、平年より一日多い閏の年の閏の日に、ふと、そんなことを考えてしまいました。
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