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この2月の半ばに、20年この地にあった実家が引っ越すこととなり… 

ちょうど私が意識的に写真を撮り始め学び始めることとなった1994年の年明けから2012年の年末に再び一人暮らしを再開するまで、出たり入ったりしながらも眺め続けたこの仕事部屋の窓からの眺めも、いよいよ見納めとなってしまいました。

何度となく、早朝から深夜まで、様々に写真を撮り続けてきたこの窓からの眺め… 引越しの日の最後の写真は、2012年初夏の2度目の個展のときに中学の同窓生有志がプレゼントしてくれた、光触媒による空気清浄効果のある胡蝶蘭の造花とともに、名残を惜しんで写してみました。

 

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それまでの両親の人生の様々な経過や想い出とともに蓄積され、一軒家のなかに収納されてきた膨大な量の“もの”たちを、なるべく身軽に新居のマンションにに移れるように整理するのは並大抵のことではなく、沖縄から戻るとすぐに、2月の大半は両親の引越し手伝いに駆り出され… 

しばらくぶりに、両親の物置でもあり私の仕事部屋でもあったこの窓からの眺めと、何度かつきあうこともできました。

 

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… 夕焼けと 雪の景色 特に好きだったなぁ…

 

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両親の新居のマンションへの交通経路を調べてみたら、今の私の住まいから多少時間はかかるけれどバス一本でも行けることがわかり、引越し後には、バスに乗ってまた手伝いに通いました。

ちょうど、そのバス路線は今までの実家のすぐ近くを通るので… 長年住み慣れた、そして2009年から2012年にかけての4年間は、ほぼ毎日その辺りで路上スナップを写し続けてからだに染み込むように親しんだ、この街の眺めを車窓からも写してみました。

 

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不思議なもので、2012年の暮れに私自身が引っ越してから… この街の商店街のなかで一番よく覗いていたお気に入りの衣類や生活雑貨のお店が2013年の11月に別の街に移転してしまい、さらに前々回のブログ 『Kの窓』 でも触れた、路上スナップ撮影で好んでウィンドウのディスプレイを写させていただいていた古物商さんも2013年暮れに店を畳んでいました。

この街にいる心の拠り所でもあった大好きな二件のお店が立ち退いてしまい、実家に顔を出すついでの楽しみもグッと減ってしまったなぁ…と、ショックを受けていたら、その直後に実家そのものが引っ越すこととなり。なんだか、人生の転機の徴のようで、しみじみしました。

でも『Kの窓』の古物商さんとは、この実家の引越しを機に不要品の買い取りをお願いして来てもらい…私が実家に預けておいたものの中で一番気がかりだった祖母の遺品の帽子の木型を一箱まるごと買い取っていただけて、深く安堵しました。

 

今までの店や実家は姿を消しても、それがきっかけとなって新たな繋がりに発展してくのは、とても面白く有り難いことです。

 

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この実家の仕事部屋で、2011年春からの2回の個展と二人展やラブぐるみ展のときのプリントを仕上げました。

 

そして何より、この Sawawa とのおつきあいが始まった誌面での『みちみち日和』連載の始まりの写真… 私の初連載の記念すべきスタートは… この仕事部屋の窓から写した写真 でした。

 

長い間、私の写真家としての活動も、この仕事部屋の窓からの眺めに育まれ、見守り支えてもらえました。

 

ありがとうございました

 

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「 あしたは なにが起きるかな 」

 

※つくばエクスプレス沿線情報誌 サワワ 2008 Vol.18 『みちみち日和』より