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東欧の街では、夜おそく(真夜中まで)花屋が開いているのをよく見かけた。
 
男性が女性に花をあげることが自然な文化として根付いているような国では、
きっと思い立ったらすぐ恋人に花をプレゼントできるようになのかなあ、などと、
真夜中に花束を買って、彼女の家まで行って、窓の下からひざまずいてプロポーズする絵を勝手に想像してみたりして、夜中に花屋を通り過ぎるたびにクスリと微笑んでしまっていた。
 
もう少し若い頃は気障だなあとおもってしまっていたようなことも、いまは純粋に素敵だなとおもうし、そんなふうに花が身近にある文化というのはいいなあ、と素直におもう。
もちろんプロポーズだけが目的じゃなくても、いつでも花を買って誰かにプレゼントできる、というのが羨ましい。
 
じつは昨年辺りから、私も部屋に花を欠かさないようにしている。
あるきっかけで出来るだけ飾るようにすることにしたのだけど、
もともと無精で育てるのはなかなか難しいのでまだ切り花ばかりだけど、
それでも水を換えたり枯れた花を抜いたり、小さな事に毎日気を配れるようになろうと頑張っていて、なんとか続けられるようになった自分の小さな変化が嬉しい。
そして、それ以上に生活に花があることで気分が上がる効果に満たされている。
 
父の葬儀も、祭壇は花でたくさん飾ってもらった。
母の好きなカサブランカをたくさん棺にも詰めて、送り出した。
ただそれだけの要素が、父の葬儀のイメージを安らかなものにしてくれた。
 
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人が花を美しいとおもう理由は、本能的なようでいてどうやら正式には解明されていないようだけど、自分でも不思議だけれど、花を見て美しいとおもうことで癒される効果は確実にとてもある。
 
だからきっとプロポーズにだって効果的なのだろう。
匂いの効果ももちろんあるだろう。
 
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実家では、母もよく花を素敵に生けているけれど、
あらためて庭に出て写真を撮ってまわってみると、こんなにいろんな種類の花が咲いていたのだなあ、と知らずにいた。
 
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父の死の空虚感を埋めるように、せっせと花を生けて、部屋を整え、そうしてきっと少しずつ気持ちを明るく前向きに持っていくことができるのだろう。
 
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