先週は、ほとんど香港にいた。

 
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ほぼ1年ぶりの香港は、前回の撮影の仕事の締めのようなもの。
じつは今回、私にとってはすこし異色な不思議な依頼で、香港と日本で、あるカップルの写真を撮っていたのだけど、今回はその2人の結婚式で、私にも出席してほしいと招待してもらったのだ。
 
 
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おもえば、きっかけは数年前の個展からで、そのときには想像もしなかった形でいろいろなことが繋がって、今回こうしてまた香港に行けたことがとても嬉しく、なんだか贈り物のような時間だった。
香港にいた私の友人にもちょうど撮影も手伝ってもらい、前回も今回も彼女のところに泊めてもらい、一緒に式にも出席し、すべてが不思議なほど上手く絡んでひとところに落ち着いたような、そんな感じをなんと言うのだろう。
 
ほぼ一年前にスタートしたプロジェクトが形になったのを見れて安堵と嬉しい気持ちと、そうしたすべての経緯が感慨深く、そしてもちろん今回こういうチャンスをくれた素敵なカップルへの感謝の気持ちと、2人の幸せな姿に心温まる、忘れがたい旅となった。
 
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香港の11月は、ちょうど気温も下がって過ごしやすくなった気持ちのよい季節なのだけど、まだ昼間は汗ばむほど暑くて、28度ほどあったりするので、寒い日本に帰ってきた途端に風邪をひいてしまった。
もう何年も風邪などひいてないような健康体なのだけど、すこし遊びすぎて疲れが溜まったのだろう。
 
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遊び過ぎで風邪をひいているだなんて体たらくで、ここのところ私は自分を甘やかしているかもしれない。
それはきっとどこかで父のことがあって以来、心を癒そうとしているのか、一生懸命悔いなく生きようとしているのか、もしくは両方の意味で、自分の心に素直に、望みに正直になろうとしているからのような気がする。
今回の香港での時間も、そんな私に降ってきた本当にありがたいプレゼントのようで、心の底から満喫して癒されて、たくさんの思い出がエネルギーになった。
父を失って半年で自分がこんなに元気になっていることに驚きつつ、時折、罪悪感のようなものもかんじる。
父はきっと私が楽しむことを許してくれていると信じていると同時に、ふと、自分の望みを叶えることと、ただ甘やかすことの違いが見えなくなったようなとき、もしかすると、調子に乗るんじゃないよ、とこんなふうに風邪をひいたりして父におしえられてるのかもしれないとおもってみたりする。
じつは風邪だけではなく、香港へいくまえから、すこし昨年のデジャブのように、モノが壊れたり無くなったり、小さなツイてないことがかさなった気がしたのだ。
小さな偶然やものごとにいちいち意味を見いだそうとするのは、心が弱いというだけのことなのかもしれないけれど、私はやはりふと気になって、これからも立ち止まっては、きっと父に問いかけていくのだろう。
 
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昨年、香港から帰る際には空港で父にマフラーを買ったことを思い出した。
そのマフラーを父は数えるほどしか使っていないだろう。
今年は、母に頼まれてお財布を買って帰ってきた。
「長く使うから良いものがほしい。」と言った母には、長く使って欲しい。
そして数ヶ月前まで父の後を追いたそうなくらいだった母の、そんなすこしの気持の変化が嬉しい。