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前回の続きで、那須を訪れた翌日は福島県の南会津へ連れて行ってもらった。
おもえば福島へはずっと前から行きたいと思っていたのに、事故があってから私の印象はそれに結びつけてしか考えられなくなっていたようで、こんな風になんの気負いもなく観光で訪れることができて、とても良かったとおもう。
 
南会津は比較機影響を受けずに済んだ場所らしく、長閑で穏やかな田園風景はずっと昔から変らずそこにあるようだった。
山あいの里は、昔ながらの造りの農家がこじんまりと並び、時間が止まったように緑の中で輝いていて、なぜだかその光景にとても感動した。
 
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ちょうど、家にヤモリ(家守)をいれてあげたあと、
梨木香歩さんの「家守奇譚」という本をみつけて、またタイトル買いをしていた。
 
それが、いつかの昔のどこかの田舎を舞台に、山と田園に囲まれた友人の日本家屋の ”家守” をすることになった主人公の周りで起こる奇妙なお話で、庭の植木に宿る精霊たちに、河童や、タツノオトシゴなどがでてきて、狸に化かされたり、どこか長閑な日本の昔話を読んでいるような、懐かしい日本の田舎の絵が浮かんで来る。四季折々の草花や季節の描写が香るように鮮明につたわり、ちょうど福島でみた田舎の風景と被って、みずみずしい感覚で読んでいたら、主人公がヤモリになっている夢を見る。
翌朝起きると、土間に生えたカラスウリの花の中から干涸びたヤモリを発見する、そんなくだりがあった。
 
じつは、我が家にいれてあげたヤモリのその後の話。
 
あるとき冷蔵庫の前にいるのを見つけて、また声をかけた。
「そんなところにいたら、知らずに踏んでしまうよ。」
そういって気を付けて歩いていたつもりなのに、翌日もヤモリがおなじところにいた。
気になって近づいて見てみると、そこで息絶えていたのだった。
 
私は’入りたがっている’と入れてあげたつもりだったけど、
やはり入れてあげるべきじゃなかったと反省し、
可哀想なことをしたなと悲しく落ち込んでいたので、
正直ブログに書くつもりもなかったのだけど、
小説との小さな符号に、なんだかその内容同様に奇妙な世界に連れて行かれたような、不思議な感覚を憶えた。
 
 
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