先週から仕事でベルギーに行っていた。

このブログの更新が遅れたのは、その帰りのロンドンでのトランジットで前代未聞(?)のトラブルで延泊となってしまったからだ。

 

それは少しあり得ない、波瀾万丈ないきさつで…、自分の人生至上最悪の失態でありながら、最高の奇跡でもあったようにおもう。
 
 
 
戻ったばかりでフィルム現像は間に合わないけれど、すこし長い話に2回にわけてお付き合い頂ければと思う。
 
 
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ロンドンに着いて最初の乗換えは、セキュリティチェックでひっかかっている間に飛行機が行ってしまった。
当日の振替はいっぱいでスタンバイで夜まで待っても乗れるかどうかわからない、と言われたので、私とボスは気持ちを切り替えて、せっかくなのでロンドンで視察にでも出かけようと一泊することにした。
だけどホテルに着く頃にはもう夕方で、街へ出ても視察をしたい美術館もギャラリーも間に合いそうになかった。
それでもまあ街へ出てみようと、何年も前の記憶を頼りにわかりやすい中心部へ向かってみる。
ロンドンは3〜4回訪れたことがあるけれど、ゆっくり観光をしたのはもう随分も前で、そこまで憶えているわけではないのだけど、ピカデリーサーカスに降り立ち、それはもう15年以上も前に最初に訪れて感動したインドカレー屋さんを思い出して、通りを入って行ってみると、それっぽいお店があった。
厳密にはきっとおなじお店ではなかった気もするけれど、思いがけずに過ごすロンドンでの夜に、何年も前の味に再会できる感動を味わうには十分で、とても美味しかった。
 
じつはベルギーから続いて少し不思議な体験(デジャブ)が続いていて、私はこのときの会話でもそれを感じて、「何かが起こる気がするんですよね」と、そんな話をした。
 
観光客らしく短い時間でロンドンに来たことを味わうのに、そのあとはテムズ川沿いを歩いて、ビッグ・ベンも見てきた。
そのビッグ・ベンもいつの間にか名称が変わっていたらしいことを知って、時の流れに驚きながら、対岸のロンドン・アイ(大きな観覧車)や街並の夜景を堪能して、”なぜかロンドンにいる”ことの不思議と幸運を噛みしめていた。
ベルギーでの仕事を終えて、思いがけず少し羽を伸ばせたようなそんな高揚感だった。
 
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次の朝、お昼のフライトに間に合うように弾丸で私だけ街へ出ることになった。
テイト・モダンへ行くのは視察でもあり、半分仕事のつもりでもあったけれど、無理をして行く必要もなかったのに、その時の私はやけに自信に溢れていて、なぜか行くべきだと思ったのだ。
“必ず間に合うように空港に戻ります”と手荷物を預けて、身軽に街へ出て、何の問題もなく辿り着き足早に鑑賞をして、十分に余裕を持って帰路に着いたはずなのに、戻りの車内で時計をみながら、このまま地下鉄で戻っても少し待ち合わせに遅れそうだとおもい、ヒースローエキスプレスという特急電車に乗れば巻き返せるのではないか、と迷い始める。そのときの決断が大きな間違いだったのだけど、乗っていたラインがパディントンに直結していたのもあってそのまま乗り続け、エキスプレスの乗り場で慌ててチケットを買い、告げられたプラットフォームから”あと6分で発車”ときいて、よく確認せずに電車に乗ってしまった。
あとから考えればすぐに気がついても良さそうなのに、それでも私は空港行きの電車に乗っていると疑わず乗り続け、空港で待つボスにも”少し遅れそうです”と伝えていた。
本来なら空港に着くはずの20分ほどして着いた駅が聞き覚えのない駅で、空港の近くの気配でもないことに気がついて、やっと後ろの席の人に”空港へ行く電車か”ときくと、驚いた顔をして”ちがう”と言われた。
まったく信じられない思いで取り乱し、慌てふためく私に、彼が ”車掌を呼んできてあげる” となだめて席をたち、係の人を連れてきてくれた。そして信じられない事に、この電車はあと2時間先まで止まらず、空港に戻れるのは18時だという。。
どうやっても13時半の飛行機に間に合うのは不可能だ。
 
人生最大の大失態だ。。。
絶対絶命で、どうしていいのかわからない。
 
(つづく)