39年振りの、主要作品を網羅した大回顧展。 


01_29_02.jpg01_29_01.jpg01_29_03.jpg01_29_04.jpg100年前の春、一人の画家が28歳で世を去りました。青木繁です。 
1904(明治37)年、22歳のときに青木が画壇に投じた《海の幸》は、明治浪漫主義とよばれる時代の空気の中で、人々の心を強くとらえました。青木のすぐれた想像力と創造力の結晶だったからです。さらに、青木は日本神話に題材をとった作品群を残していますが、その魅力は、時空をこえたかなたに見るものの思いを導くロマンティシズムでした。 
一人の人間の苦闘や愛憎が一つ一つの作品に反映されています。油彩作品約50点、水彩・素描約150点、総数約200点の規模となります。 

遺品の少なさから、これまで青木繁の回顧展はなかなか開かれてきませんでした。最後の単独回顧展は、ブリヂストン美術館と石橋美術館で開かれた1972年にさかのぼります。以来、39年振りの、主要作品を網羅した大回顧展です。 
青木の油彩、素描作品は、所在不明のものを含めて約440点だと考えられています。今回の展覧会は、国内の多くの美術館、所蔵家のご協力を得て、そのおよそ半数にあたる約200点を出展する空前の規模となり、青木の全貌を見渡すのに十分なものです。 

《海の幸》《わだつみのいろこの宮》をはじめとする青木の代表作品は、明治末期のみならず、日本の絵画史を代表する名作です。 
日露戦争を迎えつつあった20世紀初頭の高揚する時代感覚、青木自身のたぐいまれなイメージする才能、そして私たち日本人が長い間に培った美意識が、青木作品のこうした位置付けを作り上げて来ました。 
100年に渡って愛されてきた名作たちを、この展覧会でご堪能ください。 

[展覧会の構成] 

第1章/画壇への登場 ―丹青によって男子たらん 1903年まで 
第2章/豊穣の海 ―《海の幸》を中心に 1904年 
第3章/描かれた神話 ―《わだつみのいろこの宮》まで 1904-07年 
第4章/九州放浪、そして死 1907-11年 
第5章/没後、伝説の形成から今日まで