童謡「花嫁人形」で知られる詩人・画家 蕗谷虹児(ふきやこうじ)展。

 

fukiyakouji.jpg童謡「花嫁人形」の作詩者として知られる詩人・画家 蕗谷虹児(1898―1979)は、大正から昭和にかけて少女雑誌に多くの挿絵を描き、その詩情溢れる繊細な抒情画により少女たちに夢を与え絶大な人気を博しました。 

また、1922年に詩人・野口雨情の推薦により初めての詩画集『銀の吹雪』を刊行。その後4年の間に次々と詩画集を発表し、いずれも版を重ね少女たちの熱烈な支持を得ました。

絵画修行のため赴いたパリでの成果が織り込まれた詩画集『花嫁人形』(1935年)は虹児の代表作となります。しかし、このような華々しい活躍とは裏腹に、虹児の人生は波乱に富んだ苦難の連続でした。愁いを湛えた詩句には、家族のために自己を捧げた、虹児の深い想いをみることができます。 

町田市玉川学園には、1954年、55歳の時に転居し約20年間を過ごします。この頃は絵本の挿絵に加えアニメの制作、念願であった個展の開催、画集の出版など新たな分野へと活動を広げた時期でもありました。 

本展では、虹児の詩人としての業績を、美麗な装幀と抒情画に彩られた瀟洒な詩画集を通して改めて見直すとともに、数々の挿絵やタブローから、美への矜持と家族へのゆるぎない愛に支えられて描き出した、抒情性豊かな作品世界をご紹介します。 

哀切な詩句、懐かしくモダンな絵は、現代の私たちにも新鮮な感興をもたらし、心豊かな世界へと誘ってくれることと思います。