高度な抽象性をもち造形的に自律した作品を生み出している辰野登恵子/柴田敏雄

 

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情感にみちた色彩豊かな画面により、現代日本を代表する抽象画家として、30年以上にわたり第一線で活躍してきた、辰野登恵子(1950生)。山野に見出される土木事業を重厚なモノクローム写真に定着した「日本典型」連作などにより、国際的にも高い評価を受けている写真家、柴田敏雄(1949生)。

一見すると、表現メディアも作風も異なっている二人ですが、東京藝術大学油画科の同級生として、在学中はグループ展などの活動をともにしていたという、意外な接点を持っています。 

学生時代の辰野と柴田は、同級生の鎌谷伸一とともにグループ、コスモス・ファクトリーを結成し、アンディ・ウォーホルやロバート・ラウシェンバーグの影響を受けて、写真製版によるシルクスクリーンをいち早く試みています。その後はそれぞれ異なった活動領域に専念していくことになったため、両者の共同活動は、1995年に東京の画廊で行った二人展を数えるのみでした。

とはいえ、二人の芸術には見過ごしにすることのできない共通点があるように思われます。それは、外部世界のなかに見出された偶然的な形象から出発しながら、高度な抽象性をもった、造形的に自律した作品を生み出していることです。

展覧会では、1970年代の学生時代から現在に至る、二人の作品の中から、代表的な作品やシリーズを精選し、基本的にはそれぞれの作家の特質を明らかにしながら、時折は両者の作品を併置し、ポップ・アートとミニマル・アートの影響を受けて自己を形成した最初の世代が、質の高い独自の芸術を作り上げていった様を紹介いたします。 

[出品作品]
辰野登恵子:絵画・版画・素描等 約100点 
柴田 敏雄:写真・版画等 約200点

[関連イベント]
◆アーティスト・トーク (予定)
 9月15日(土)午後2時〜3時半 国立新美術館3F講堂 先着230名
※聴講は無料ですが、本展の観覧券(半券可)が必要となります。
※詳細やその他の最新情報については、国立新美術館ホームページをご覧ください。