ロシアのプーシキン美術館は、なぜこれほどまでに
充実したフランス絵画のコレクションを擁しているのだろう。

 

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モスクワのプーシキン美術館から、珠玉のフランス絵画が来日します。知る人ぞ知る、フランス絵画の宝庫ロシア。17世紀古典主義の巨匠プッサンにはじまり、18世紀ロココの代表ブーシェ、19世紀のアングル、ドラクロワ、ミレー、印象派やポスト印象派のモネ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホ、そして20世紀のピカソやマティスまで—。 
女帝エカテリーナ2世らロマノフ王朝の歴代皇帝や貴族、19世紀に台頭した大商人などによってロシアにもたらされたフランス絵画の質の高さは、フランス本国もうらやむほどのものです。数世紀をかけて蓄積されたその遺産は、今日、プーシキン美術館のコレクションの中核をなしています。
本展では、選りすぐりの66点で、フランス絵画300年の栄光の歴史をたどります。なかでも、ルノワールの印象派時代最高の肖像画と評される《ジャンヌ・サマリーの肖像》は、最大の見どころです。
「ロシアが憧れたフランス」の粋を、どうぞお楽しみください。

【プーシキン美術館】
ロシアの首都モスクワの中心地に位置し、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館とならんで、世界的な西洋絵画コレクションを誇る国立美術館です。
絵画、版画、彫刻など67万点を超す収蔵作品は、古代エジプトから近代にいたるヨーロッパ美術の流れを幅広く概観できるのが特徴です。充実した教育プログラムや、先進的な企画展にも定評があります。 
なかでもプーシキン美術館の名をもっとも知らしめているには、印象派からマティス、ピカソまで、屈指の名品をそろえたフランス近代絵画のコレクションといえるでしょう。モスクワ出身の伝説的なコレクター、セルゲイ・シチューキンとイワン・モロゾフの2人が19世紀末から20世紀初頭に収集した超一流の作品群が、現在ではプーシキン美術館とエルミタージュ美術館に分割して所蔵されているのです。 
1912年「モスクワ大学附属アレクサンドル3世美術館」として開館したプーシキン美術館は、ロシア革命を機に「モスクワ美術館」と名を変え、さらに文豪アレクサンドル・プーシキンの没後100年を記念して現在の名称に改められました。2012年に創立100周年をむかえ、今後も英国人建築家ノーマン・フォスターによる美術館拡張計画が予定されるなど、さらなる発展が期待されています。