池大雅、良寛、小林一茶、伊藤若冲、渡辺華山などの書画を紹介。

 

edoworld.jpg多分野に豊かな才能を開花させた中村不折(1866-1943)は、とりわけ書に傾倒し、文字のある資料を収集して、のちに書道博物館を設立しました。
洋画家として喧伝される中村不折ですが、実は幕末に生まれ、江戸時代の香り高い文化に包まれて幼少期を過ごしました。不折が書に魅了された背景には、江戸期の古き良き伝統を切り離して考えることはできません。慶応2年に生まれた不折は、江戸時代の美術を、ごく身近なものとして慈しんでいたのです。

不折は幼少期を、中村家の郷里である長野の地で過ごしました。幼い頃から絵を好み、特に歌川広重(1797-1858)の浮世絵版画がお気に入りで、絵本がわりにいつも眺めていたといいます。 

その後、不折は明治20年代に東京へ移り住み、湯島や根岸を転々としましたが、大正4年、知命の歳に、現在の書道博物館がある場所に終の住処としました。この敷地が江戸時代に御隠殿の一部であったことも、不折にとって大きな決め手となったようです。元禄年間につくられた御隠殿の庭の趣が残り、古い石灯籠もありました。不折は、庭の木土門に良寛(1758-1831)の木額を掲げ、江戸の雰囲気を味わっていました。居宅は明治時代の建物でしたが、壁間や床の間に、池大雅(1723-1776)や佐久間象山(1811-1864)などを掛けて、江戸の書画を楽しんでいました。こうした江戸情緒あふれた佇まいの中で、不折は日々を過ごしていたのでした。

今年は、中村不折の没後70年です。今回の企画展では、不折が日頃から親しんでいた江戸コレクションを一挙に公開いたします。また、今年は小林一茶(1763-1827)の生誕250年にあたります。不折コレクションのなかから、一茶の愛らしい俳画や、書作品もあわせて紹介します。この展覧会で、不折の眼を通して見た江戸の風情をたっぷりと味わっていただければ幸いです。
※期間中、展示替えがあります。

【主な展示作品】
◎第1期〈6月28日(金)〜7月28日(日)〉
松花堂昭乗・書巻/伊藤若冲・鶴図軸/亀田鵬斎・草書五語律詩軸/小林一茶・俳画軸(〜第2期)/小林一茶・短歌軸(〜第2期)/渡辺華山・草花図軸/巻菱湖・楷書「茶歌」軸/張月樵・白鵞図軸
◎第2期〈7月30日(火)〜8月25日(日)〉
荻生徂徠・草書詩巻/白隠・十六羅漢図軸/頼山陽・行書詩稿軸/佐久間象山・隷書七言絶句軸/松平定信・楷書「楽則」軸/井伊直弼・行書五字軸/徳川光圀・行書七言二句軸/久隅守景・龍頭観音図軸
◎第3期〈8月27日(火)〜9月25日(水)〉
北島雪山・行書千字文巻/英一蝶・牧童図軸/細井広沢・草書五語二句軸/池大雅・草書五語二句軸/中村芳中・鷹図軸/良寛・書巻/頼山陽・行書蘭亭序巻/伊藤若冲・芭蕉翁図軸

★明治時代のお蔵が庭園に復原!★
中村不折が明治時代に住んでいた場所(現・台東区根岸3丁目12番地)にあったお蔵が、平成23年、偶然に発見されました。このたび、お蔵を書道博物館の庭園に移築し、復原しました。
不折コレクションを最初に収蔵した、書道博物館の原点ともいえる貴重なお蔵です。

【ギャラリートーク】
日時:①第1期 7月21日(日) 10時〜/13時30分〜
   ②第2期 8月11日(日) 10時〜/13時30分〜
   ③第3期 9月08日(日) 10時〜/13時30分〜
【キッズセミナー】(小・中学生対象のギャラリートークです)
日時:④8月4日(日) 11:00〜
※会場が手狭なため、どちらも事前申込制で各回20名。
往復はがきの「往信用裏面」に、郵便番号、住所、氏名(ふりがな)、電話番号、年齢、希望日時を、「返信用表面」に郵便番号、住所、氏名を明記して下記までお申込み下さい。はがき1通につき1名の申込となります。
聴講無料。ただし当日の観覧料が必要です。
申込先:〒110-0003 東京都台東区根岸2-10-4 台東区立書道博物館 
ギャラリートーク係 または、キッズセミナー係 
締切:①7月10日(水) ②7月31日(水)③8月28日(水)④7月24日(水)必着 
【ワークショップ】『江戸の書画を体験!』
会場:台東区立書道博物館
日時:7月21日(日)、8月4日(日)、9月8日(日)いずれも開館時間中随時
※参加料100円(材料費)及び当日の観覧料が必要です。