nakamurakazumi.jpg

中村一美展

1980年代初頭に本格的な絵画制作を開始した中村一美(1956生)は、同世代の中でも、もっとも精力的な活動を展開してきた現代美術作家・画家の一人です。その中村一美の個展が国立新美術館で開催しています。

――絵画は何のために存するのか。絵画とは何なのか。 中村は、この疑問に答えるために、ジャクソン・ポロック、マーク・ロスコ、バーネット・ニューマンなど、西欧のモダニズム絵画の到達点とみなされていた戦後アメリカの抽象表現主義絵画の研究から出発し、彼らの芸術を乗り越える新たな絵画・絵画理論を探求します。中村が特に参照したのは、日本の古代・中世絵画、中国宋代の山水画、朝鮮の民画など、東アジアの伝統的な絵画における空間表現や、形象の記号的・象徴的作用でした。

また中村は、絵画の意味は別の絵画との差異の中にしか存在しえないという認識に基づく「示差性の絵画」という概念を、すでに1980年代に提出しています。それゆえその絵画は、同じモティーフに拠りながらも、つねに複数の作品が差異を示しながら展開する連作として制作されてきました。「存在の鳥」連作に代表される近年の絵画では、象形文字を思わせるマトリクスに基づきながら、多様な色彩や筆触や描法を駆使することで、抽象とも具象とも分類できない、新しいタイプの絵画の創造に取り組んでいます。

〈新入り編集部員みかんのおすすめ情報〉
P1000107s.jpgこんにちは、みかんです。中村一美氏の学生時代の習作から最新作「聖」まで、およそ150点の作品が並べられた本格的な回顧展です。最後の方の部屋は壁面全体が朱に塗られ、一面に斜線(グリッド)が描かれていて、「存在の鳥」シリーズの作品が展示されています。まるでその部屋全体が一つの作品でもあるようです。

※写真は、国立新美術館の特別の許可をいただいて撮影しました。

 

中村一美展
会期:2014年3月19日(水)〜5月19日(月)
時間:10:00~18:00 金曜日は20:00まで
4月19日(土)は「六本木アートナイト2014」開催に
ともない22:00まで開館
※入場は閉館の30分前まで
休館:毎週火曜日休館
ただし、4月29日(火)および5月6日(火)は開館、
5月7日(水)は休館
料金:一般 1,000円/大学生 500円/高校生、18歳未満の方無料
4月19日(土)は「六本木アートナイト2014」、5月18日(日)は
「国際博物館の日」につき、入場無料
会場:国立新美術館 企画展示室1E
場所:東京都港区六本木7-22-2
交通:東京メトロ千代田線乃木坂駅青山霊園方面改札6出口
(美術館直結)
都営大江戸線六本木駅7出口から徒歩約4分
東京メトロ日比谷線六本木駅4a出口から徒歩約5分
問合:ハローダイヤル 03-5777-8600
http://www.nact.jp/exhibition_special/2013/NAKAMURA_Kazumi/