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9・11と3・11   あの破局はいったい何だったのか 

9・11が起きた時、アメリカの政治学者サミュエル・ハンティントンが書いた「文明の衝突」が脚光を浴びた。二つのイデオロギーが緊張関係を形成した冷戦に代わって、諸文明が衝突する時代がやってくると予言していたのだ。
21世紀は、諸文明が共通の基盤を持つことなく衝突しあう時代で、9・11テロは、この一環として解釈された。 

しかし、著者大澤真幸はこの解釈に反対する。
そして本書「文明の内なる衝突」はもっと説得力のある、世界の描像を提供するために書かれたものだ。 

9・11から10年。3・11に起きた東日本大震災と津波。それに引き続いて起きた原子力発電所の事故。このような破壊がなぜ起こって、世界がどう変わり、これからどうしなければいけないのか。
新たな思想的教訓を引き出す3・11論を増補して文庫版として登場した。 

あの破局をもたらした根源的な要因をさぐり、資本主義社会の閉塞を突破して奇跡的に到来する「共存」への道筋を示している。 

「文明の内なる衝突」大澤真幸著   河出文庫   850円(2011.9.20刊)