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500年の時を生き延びた希代の稀覯本サラエボ・ハガター(ユダヤ教の過越し祭りで使われる祈りや詩編が書かれている美しい挿絵の書物)が、なぜ造られ、どんな人々に守られてきたのか?

鑑定を依頼された古書鑑定家ハンナが見つけた白い毛・塩の結晶・ワインの染み・留め金の痕跡・蝶の羽が15、17、19、20世紀の欧州で起こった驚くべき苦難の歴史を物語っていく。 

殺人事件も起きず、探偵も刑事も法廷も出てこないこの物語にぐんぐん引き込まれていく。

オルコット「若草物語」の南北戦争に従軍した父親を主人公に据えた「マーチ家の父」でピューリッツァー賞を受賞したブルックスの三作目の「古書の来歴」は、史実と空想を巧みに織り交ぜて、スケールの大きな物語を紡ぎあげた。

さらに、森嶋マリの訳が第2回翻訳ミステリー大賞を受賞し、読みやすくじっくり味わえる傑作歴史ミステリーとなっている。

「古書の来歴」上下  J・ブルックス著   RHブックス文庫  ¥750・¥800

関連本
◎「マーチ家の父  もうひとつの若草物語」J・ブルックス著  RHブックス刊
◎「悪魔の調べ」「ラビリンス」ケイト・モス  森嶋マリ訳  ソフトバンクC刊
◎「ユダヤ人の歴史」3巻  ポール・ジョンソン著  石田友雄監修  徳間文庫刊
◎「嵯峨野明月記」辻邦生著  中公文庫刊(素庵・光悦・宗達の豪華嵯峨本)
★第3回翻訳大賞決定『忘れられた花園』上下 ケイト・モートン 青木純子訳 東京創元社