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現代と19世紀を舞台にした芳醇かつ夢幻の恋愛小説。

天才が画家ロバートは、美術館の傑作《レダと白鳥》にナイフで切りかかり、精神病院送りとなる。みずからも絵を描く担当医マーロウは、何とか立ち直らせようと奔走する。なぜロバートが絵画を切り裂こうとしたのか、また執拗に描く「黒い巻き毛の女」、そして大切にしまっている19世紀画家たちの不思議な書簡は、いったい何を意味するのか?

マーロウは、彼の過去の女たちに会いに行く。やがて、遠い昔の名作絵画をめぐる陰謀が明らかに‥‥。

ロバートの命運を握る《レダと白鳥》は、ギリシャ神話をモチーフとする古典的な画題、ゼウスが白鳥に変身して美しい人妻レダを誘惑するという話で、ルネサンス期から広く題材として取り上げられるようになった。コレッジョの《レダ》は18世紀の当時の所有者オルレアン公の息子ルイによってナイフで切り裂かれていた…。

世界的ベストセラーの“ドラキュラ×歴史ミステリー”『ヒストリアン』から6年、アーティストたちの狂気と切なすぎる恋を描いた『白鳥泥棒』は絵画愛好家にはたまらない小説となっている。

『ヒストリアン』(Ⅰ・Ⅱ)  E・コストヴァ/高瀬素子訳   NHK出版