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『私の日本古代史』上下 上田正昭著  新潮選書
古代史学の重鎮である著者の60年以上の集大成・現時点での古代史決定版の通史です。上巻は「天皇とは何ものかー縄文から倭の五王まで」下巻は「古事記は偽書かー継体朝から律令国家成立まで」を、疑わしき説を切り捨て、しかし最新のデータにもきちんと目配りしています。
最近の発掘・発見には目を見張るものがあり、新事実が続々と出てくるのが楽しみです。

また、大平裕著『日本古代史  正解』『同  纒向時代編』『同  渡海編』(講談社)は、戦後60年余、みるべき成果があがっていない古代史を見直し、日本誕生の空白の200年を探求した学界人でない研究者 大平裕の答えです。

一方学会から無視され、独り奮闘しているのが小林惠子の古代史シリーズ・全九巻(現代思潮新社)。かつて文藝春秋から刊行されたものの全面的に加筆・訂正した新装版です。三世紀・三国時代から八世紀・唐時代まで。その後の桓武・平城天皇時代は『桓武天皇の謎』『空海と三人の天皇』(祥伝社)に続いています。

このシリーズは『記紀』とも古代史の常識ともかけ離れていますが、中国・朝鮮・日本の資料を綿密に比較検討することによって、古代の日本がいかに国際社会の一国であったかを検証した私説古代史となっています。
『興亡古代史』小林惠子  (文藝春秋) は東アジアの覇権争奪の100年の古代通史でワクワクする面白さです。

『私の日本古代史』上下 上田正昭著  新潮選書
『日本古代史  正解』大平裕著 講談社
『古代史シリーズ・全九巻』小林惠子著 現代思潮新社 
『興亡古代史』小林惠子著  文藝春秋
 

最新刊
『古代道路の謎—奈良時代の巨大国家プロジェクト』近江俊秀著 祥伝社新書

奈良時代、国家を挙げて造成した古代道路「駅路(えきろ)」があった。それは、天武天皇による日本列島改造だった。その道はどこまでも直線で、巨大な幅を有していた。総延長は6300Km。中世・近世・近代をしのぎ、現代の高速道路にも匹敵するこの大事業が、文献資料に見当たらない。この古代道路はなぜ造られ、どのようなものだったのか?そして、なぜ急に廃絶したのか?

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