michikohayashi_Sa001C.jpg

春に初の個展をひかえた今年の2月下旬、私は久しぶりに声の出ない風邪が長引いて寝込んでいました。その風邪をひく前、ちょうど個展の準備に向かいつつあるタイミングで、私の写真と、写真をやってきた道筋を、深く理解し評価してくれたある人と出逢いました。ある晩、その人との出会いを深く深く感謝して眠りについたところ… 翌朝起き抜けに、とても不思議な夢をみました。

*** 

早朝 鳥が目覚めて鳴きはじめるころ… 
いつにもまして寝室の窓の外が賑やかになりました 
あまりに騒々しいので 何ごとかと 障子を開けてみてみると 
窓の外の電線に びっしりと鈴なりになってひしめきあって騒いでいます 
よくよく見ると 普段このあたりでよく見かける鳥たちは 
窓から見える電線の左隅の方に固まっていて 
真ん中あたりには なぜかお猿さんやフクロウたちがたくさん停まっていて 
家の屋根を超えて はるか向こうを じっと注視しています 
彼等はみんな興奮していて 中央にいた一羽の白いフクロウは 
目を大きく見開いて ワクワクしているかのように 後ろ向きに宙返りしたりして 
そのとき開いた羽の一枚一枚も くっきりと見えるほど 
彼等の関心事 …なにか とてつもなく大きなものが 向こうからやってくる… 
それを歓待している様子が 集中してひしひしと伝わってきました

*** 

彼等は一体 なにを待って興奮していたんだろう… 

目覚めてから、ずっと心にひっかかる夢でした。 

その夢を見た数日後にニュージーランドで地震が起き…あの夢は、ニュージーランドの地震の知らせだったのか?と考えてみたけれど、あまりしっくりこなくって… 

そうこうするうち、ようやく私の風邪もよくなり、いよいよ個展の準備に現実に取り組み始めた矢先に、3月11日となり、大規模な地震と津波の被害の酷さのみならず、とてつもなく大きな人災…福島原発事故が起こりました。いまもなお、海水や大気を介して、日本のみならず世界中に放射性物質をバラマキ続けている。。。 

森の生き物で、神さまのお使いとも言われている、白いフクロウや猿たちが騒いでいたのはこれだったのか… と、しばらく経ってから気づきました。 

野生動物は、天災などの危険をいちはやく察知して忽然と集団で逃げ去ったりしますが…夢のなかの白いフクロウや猿たちは、逃げるどころか、嬉々としてその到来を待ちわびているようですらありました。 

大地のなかに、宇宙の神聖なパワーを秘めた鉱物としてひっそりと眠っていたものを、掘り起こして、人間の欲深さのために危険をかえりみず地球のかけらを酷使してきた、その成れの果てを… 

 果たしてこれから 人間が 母なる地球の豊かな生命の輪のつながりのなかの
 微力な一員としての謙虚さを 取り戻して 
 地球とともに生きていけるのか 

…じっと、見続けられているような氣がします。 

そして私も… これから写真を介して、なにを見届け、なにを伝えていくのか、問われ続けているようです。 

◎写真家・林道子×人形作家・佐野純子 コラボ写真作品集 
『Lovegurumi』 vol.1
 2011年10月15日発売予定 

編みぐるみのカップル「Lovegurumi(ラブぐるみ)」の 
ちょっぴり不思議で妙にリアルな恋愛模様を 
東京の街を背景に撮った写真作品集。 

「Lovegurumi」※限定20部(手製本) 
 予価 5,000円(税込) 
『ハオ』ウエブサイトにて、10月15日より発売開始
 http://www016.upp.so-net.ne.jp/hao/ 
 問い合わせ E-mail  hao@mail.office.to (ハオ編集部)