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春分の日のころの生まれだからか… 毎年どうも冬の間はあまり活動的になれなくて。ちょうど今の教える仕事が1月〜3月は極端に授業日が少ないこともあって、本当に家に籠りがち。 まるで「冬眠」しているみたいだなぁ。。と、我ながら呆れることがある。

昨年末に引越したこともあって、今年はさらに引き蘢り傾向が強く… おまけに前回のブログにも記したように、バックアップ用のHDDの調子が悪くなって、ここのところずっと否応なく写真データの引越しにも時間をとられているので、、 たまに家から外界に出ると、なんだか浦島太郎のような気がしてきたりする。

この原稿を書いている5日も、前日、仕事帰りに忘れてしまった銀行口座の記帳をしようと、重い腰をあげて家を出た。 新居は築40年の中古マンションだからか…なんだかシンシンと底冷えがするので、あいかわらず温かい冬の格好をして出たら… やけに軽装の人が多く、、 あ、温かいんだ! と、ようやく気がつく。 近くの公園の向こう側にATMがあるので、久しぶりに公園を通り抜けてみた。


用事を済ませて、もう一度、公園の中を通って戻ってくるとき「そうか、今日は啓蟄だった!」と、今更ながら気がついて… 冬眠起き抜けのように ボウッ としたまま出てきたので… しまった!カメラを忘れた!! と、iPhone撮影モードで歩き始めた。

 

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さすがに蛙には会えなかったけど… 望遠レンズもないのに、こんなに近くに寄っても逃げない鳩に出会ったり

 

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本数は多くないけど、美事な枝振りの紅梅・白梅・しだれ梅… など、彩りよく咲き乱れる一角があることに、嬉しい驚き。

温かい一日だったからか、わらわらと出てきた蛙ならぬお花見の人々でほどよく賑わっていて。梅もすっかり花盛り、傍を通ると、なんとも芳しい甘い香り。。。 

 

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紅梅の鮮やかさに触発されたのか… 帰りに、初めてみかけた小さな紅い花のポット苗木を買ってきてしまった。

 

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ギョリュウバイ…というのだそう。御柳の梅 とも、魚竜(龍)の梅 とも書いたりするそう。 辰年生まれだからか… なんだか遠い祖先の「魚竜目」を偲ぶ同類のような、なんともいえない親しみをおぼえて。。。 魚竜目は爬虫類の祖先だそうだから…蛙もでてくる「啓蟄」の日に、呼ばれたのかな。

 

近所の公園の行き帰りのほんの短い散策のうちにも… 自然の多様な生命の息吹の素晴らしさの、ごく片鱗にふれ(あ、ここにも鱗が!)、氣の遠くなるほどの生命の進化の歴史に思いを馳せた 啓蟄 の一日。

 

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私には、この世に生まれた誕生日の他に、息を吹き返して新たな使命を授かったと思える第二の誕生日があって… 今年は、新しい家での日常に埋没していて、すっかりそんなことも忘れかけていたのだけれど。 ちょうど10日ほど前のその第二の誕生日の頃に、やはり、無理矢理、躰を引き剥がすように家を出て、写真展をいくつか梯子して観て廻った。

その日のプランの締めくくりに、いつも気になる写真展をやっているけど、なかなか訪ねられないでいた中目黒のお洒落な写真のギャラリーを目指して山手通りを歩いていて… 珍しく、日ごろは敬遠しがちな高級そうなアンティークショップのウィンドウに惹きつけられた。 まず iPhone で、サッと写して通り過ぎ… それでも何か気になって… 帰りがけにもう一度、今度は PEN で写してみた。

 

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ショーウィンドウの内側の実在の像と、ガラスの反射や映り込みの、これも現実だけれど虚像との、組み合わせの偶然の妙を、私は好んでよく写すのだけれど… これは、すごくシュールで、心に染みた。

 

311から、まもなく2年。引越しを機に、なるべく電気に頼らない生活をしたい、と、テレビも電子レンジも炊飯器も電気ポットも掃除機も持たずに暮らし始めているけれど。いざ電気料金の請求が来てみると、想像以上に電力を使ってる。冬場にスタートした底冷えのするマンション暮らしだからか…大部分が暖房費だと思いたいけど、これから季節はいよいよ春から夏へ。

果たして、都会の一人暮らしで、どんな工夫ができるのか、、 写真のこと一つとっても、時代はますます電脳ロボット的な高速の電磁波が飛び交う世界に移行していくようだけど… そして私も、こうして深夜に電気を使い、デジカメとスマホとコンピューターの便利さにだいぶ頼ってしまっているのだけど… それでも、なんとか電力と機械の奴隷になってしまわないように。。。 

 

地球の自然の豊かさあってこそ生かされている人間なのだ…と、自然に寄り添う謙虚な心もちを大切に、、 新しい技術がもたらす利便性と、いにしえからの生活の知恵を、それぞれに学んでバランスよく活かし、欲張りすぎずにのんびりと。質素でも手間ひまをかけた人肌の温もりのある暮らしを… 不便も手間も楽しみながら、愛でて生きたい。